HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

捨て続けて残った“本質”『シンプルに考える』

本書は、元LINE株式会社代表取締役社長の森川亮氏のビジネスで成功するために、何が最も大切なのかを、シンプルに考え、実行してきたことの記録になります。

「シンプルに考える」とは著者の信条です。
「あれもこれも大事」と悩んだり、多くの事柄に力を分散させることなく、結果を出すために一つのことに全力を集中すること。
それは、「ユーザーのニーズに応える」という“本質”に全力を集中することを意味します。

では、会社にとって一番大切なのは何か?
「ヒット商品をつくり続けること」
“利益”も“社員の幸せ”も“ブランド”もヒット商品が生まれた結果のことです。

ユーザーのニーズに応えるにはどうすれば良いか?
ユーザーのニーズに応える情熱と社員だけ集め、彼らが最大限の能力を発揮できる環境を整え、徹底的にエンパワメントすること。

これが、実践してきた “シンプルな本質”になります。

さいごに、著者は
この世界は、求めるものと与えるもののエコシステムであり、人々の求めているものを与えることで生き残ることができます。
そのために、常に「人々は何に困っているのだろう」、「人々は何を求めているのだろう」と試行錯誤し、自分の感性を生かし、人の気持ちが分かる人間にならなくてはいけない。と伝えています。

ぜひ、悩んでしまって、決断することができない人は本書を一読し、自分にとって大切なものは何かを考えてみてください。

「やりたいことを追求する」「人々を喜ばせるために努力する」
シンプルな原則です。

シンプルに考える

シンプルに考える

他人を頼れない、責任感が強く不器用な人に読んでいただきたい。『なぜかまわりに助けられる人の心理術』

本書は人間関係をより良くするために、メンタリズムを利用しようという趣旨で書かれています。

人間関係で悩んでいる人がいるとしたら、それはその人が相手に対して「やってあげる人」、例を出すなら、売れないバンドマンの彼女などの「尽くす人」ではないでしょうか。
そういった場合、過分に何かをやってもらった人は「お返しをしなければいけない」というプレッシャーに耐えられなくなってしまい、罪悪感と良心の呵責に苛まれた結果、あなたを避けてしまいます。
これは、人間関係を良くしようと頑張るほど、人間関係が崩壊してしまうことを示唆します。

ここで重要なのが、「頑張るのをやめる」ことが、周りの人を幸せにするということになります。

それはどういうことか。
アドラー心理学では「人間が幸せになる唯一の方法は他者に貢献すること」と述べています。

年収と幸福度の関係では、ある一定の年収まで達すると幸福度は止まってしまうという報告があり、人間はお金で高まらなくなった幸福度を高める手段として、寄付や財団を作るなど、他人のために行動するようになります。

「誰かの役に立った」という精神的充足感や「自分は必要とされている」という自己重要感が人間を幸福にするのです。
これは、相手に何かをやってもらうという行為はめぐりめぐって「やってあげる側の人」を幸せにする行為につながっていきます。
誰かに頼られると嬉しい気持ちになりませんか?

また、相手に何かをしてあげることは、「相手に対して好意がある」と自分の脳に教える行為を意味します。川で溺れている女性を助けて恋に落ちるのは、助けてもらった側の人間ではなくて、助けてあげた側の人間であるという実験結果もあり、心理学的にも認められています。

お金の貸し借りでは、お金を貸す側の人間は「困っているので、お金を貸してください」と弱みをみせて頼んできた人間を好きになってしまうのです。

このことから、人間は他者への貢献によって幸せになる仕組みを持つ生き物と心理学的にも考えられます。
本書は心理学に基づく助けられるための具体的なテクニックとその根拠がしっかり記載されており、読まれた方もきっと納得していただけると思われます。

お願いすることは、お願いされた人を幸せにします。

 

なぜかまわりに助けられる人の心理術 (宝島SUGOI文庫)

なぜかまわりに助けられる人の心理術 (宝島SUGOI文庫)

 

 

チャンスは二度ある『未来の働き方を考えよう~ 人生は二回、生きられる ~』

多くのビジネスがネットワークへ移行している現在、組織に所属することが必ずしも安泰ではなくなってきている。学校を卒業し、一社で継続して働くことがリスクにもなりうる。

大企業という肩書きがあってこそできた仕事も、会社を辞めた途端に相手にされなくなるというのは、よく聞く話だが、まさに、個人としては評価されていないということなのだ。特に転職の経験が無い場合、定年後に初めてそのようなことに気づかされるのでは、その後の不安も大きいだろう。

著者が学歴や職歴をださず、「ちきりん」という名前だけで、ブログを書き始めたのは、まさに「自分には価値を生み出せるのか?」ということを確認したかったからだと語る。

人生100年と言われているこの時代、著者が提案するのは「職業人生は二回ある」「一生の間に二つの異なる働き方を選べる」という考え方だ。一度目は、よくわからずなんでも上手くいかない。しかし、二度目は一度目の経験をもとに実行できる。

本当にやりたい仕事かどうかわからなくても、とりあえず始めた最初の仕事からその経験を通し、後半の人生では、自分が本当に望ましいと思える生活スタイル「オリジナルの人生」を想定した働き方をするということだ。

本書では、「自分自身のオリジナルの人生を手に入れるための3ステップ」を紹介している。

ステップ 1
手に入れたい人生を明確にする

ステップ 2
複数の将来シナリオを持つ

ステップ 3
市場で稼ぐ力をつける

著者が「二回の職業人生」を勧める理由は、著者自身が実際に、後半の人生に新しい働き方を選び、本当に楽しいと感じ、自信を持って勧められるからだと語る。

新しいことを始めるということは、不安や恐れももちろんあるだろうが、自分自身の人生、「楽しいこと」、「好きなこと」だけで生きていくということは、まさに、本来の生き方なのではないかと考える。

 

 

探せ!この世の全てをジムに置いてきた! 『筋トレが最強のソリューションである。』

筋トレとプロテインでこの世の99%の問題は解決します。本当です。

Q.筋肉が解決することってなんですか?
A. スーツが似合わない 後輩になめられる 上司の説教の的になる 
DQNにいちゃもんをつけられる 酔っ払いに絡まれる
上記を解決します。

Q.自信が無いです。どうしたら良いですか?
A. 筋トレをしてください。そうすると
  身体がカッコよくなる 異性にモテる 
テストステロンというホルモンが分泌されて気分上々
上司も取引先もいざとなれば力尽くで葬れると思うと得られる謎の全能感
以上の理由で自信がつきます。

Q.テストステロンが分泌されるとどうなりますか?
A. 「周りに敵が見当たらねえ」「おいおい、自分末恐ろしいな」「自分の限界が見えない」
  「ジムにあるプレート全部持ってこい!」
「今日は俺が休むんじゃない、ジムに休ませてやってるんだ!」
  と、何の根拠もなく全能感が得られます。

Q.筋肉の鎧の効果を教えてください。
A. 体育会系の人が大抵味方になる「僕も昔スポーツをやってた」効果
  アウトローからの謎のリスペクト「強そうな奴は大体友達」効果
  詐欺、犯罪のターゲットにならない「もっと弱そうな奴を狙おう…」効果

Q.アメリカ人男性は盛んに筋トレをしているイメージがあります。
A. 男社会でなめられないためだ。
  身体のサイズほどシンプルで主張要らずの「舐めんな。ぶっとばすぞ。」サインはない。
  エリートや社長は必ずと言っていいほど筋トレしている。
  ちなみに、男性の腕は「gun=銃」と称され、男らしさの象徴である。

Q.えっと、将来が不安で……
Q.女性にモテなくて……
Q.仕事で悩んでまして……

A. うるせーな!ガタガタ言ってねーで筋トレしろ!!足りてねーのは筋肉だ!

 

筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法

筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法

 

 

さあ踏み出そう!『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』

あなたは今どのような状況に置かれているだろうか、あの日描いた幸せはどれだけ手に入れることができただろうか。本書は手に入れたい未来がある人に向けた、これから先の社会の歩き方の教科書だ。

著者はお笑い芸人としてスターを目指した。有名にはなれたのかもしれないが、結果スターになることは叶わなかった。機会がなかったわけでも努力を怠ったわけでもない、テレビに出演し自身に任せられた役割を全うした。全力で手を伸ばしたがスターにはなれなかったのだ。自身のできる限りのパフォーマンスを発揮したにも関わらず尚認められなかった辛さは、お笑いを職にしない方でも自身の経験と重ねることができるのではないだろうか。

とても辛いが諦めることは簡単だ、ただそれでも前へ踏み出すことで欲しいものを手にすることはできる。失敗は諦めた瞬間に現れる、諦めない限り失敗なんて一つもない。ただ、同じことをすればきっと結果も同じだろう。著者はスターになるために、まずは環境を変えた。芸人やタレントが表現をするのに最も便利であろうテレビを削ぎ落とし、絵本という市場に踏み込んだのだ。当たり前だったことがなくなれば人は代替を探し始める、自身に不利な場に飛び込めばどうしたら戦えるのかを考える。環境を変えたいなら、まずは環境を変えてしまうのだ。著者がその後どうなったかは本書を含めた他の著書、ブログ、いっそのこと直接会いに行って確かめてほしい、ネットで検索すれば公演やライブの予定がいくらでも見つかるだろう。

多様な価値観が力を持ち始めてきた昨今、幸せの形は一つではない。100人居れば100通りの幸せがあり、結局のところ自分自身で掴み取るしかないのだ。著者はブログでも“あなたが行動を起こさないのは、勇気を持ち合わせていないからではなくて、情報を持ち合わせていないからだ”と記している。その点本書は一歩を踏み出すための情報が凝縮されている一冊だ。漠然とした不安から足を止めてしまっているのであれば、まずは本書を手に取り情報を手に入れることからお勧めしたい。

 

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

 

 

アップルは世界最強グローバル企業だ『僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる』

本書の著者はアップルでI PODやMACなどのハードウェア製品の品質保障部のシニアマネージャーとして勤務していた経験から、なぜアップルは「世界最強」と言われるまで成長したのかを明かされている。

社内では、「これから何が流行るのか」を考えるのではなく、自社が顧客に対してどんなメリットを提供できるかを考え、そこから製品やサービスのコンセプトを定義していくのが大事な点であるという。

そして、明快なコンセプト、優れたデザインを開発工程の上流で生み出したうえで、そこから次の段階の開発や製造でのコストの高騰は必ず製品の最終価格に跳ね返る。なので、それから先はケチケチとシビアにやっていく。これがアップルの実像なのである。

また、企業内での競争体質というのは極めて有効な手段であり、日本企業でも、もっと積極的に取り入れていいのではないだろうか。ただその一方でアップルのそれは行きすぎているように感じていたのも実情だ。社内は本当に激しい競争の場で、社内政治のし烈さはシリコンバレー屈指といわれ、ポジションが上がれば上がるほど激しさを増していくのだ。

著者は思いがけない偶然からアップルというグローバル企業の中枢で働く機会を得たが、現在日本でも社内の公用語を英語にしたり、外国人採用を増やすなど、急ピッチでグローバル化を推し進める会社が増えつつあるが、おそらくそう遠くない将来、本書でつづったような就労体験を多くの日本人が日本にいながら体験するときがくるでしょう。

ならば、そういった時代がいつきても対応できるように本書が少しでも参考になればいいのではないだろうか。

 

 

桁外れの結果は桁外れの準備 『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』

著者はサンリオ常務取締役の鳩山玲人氏であり、“会社員として与えられた環境下で、いかに人々の期待を超え、求められる以上の結果を出し続けるか”というテーマで書かれています。

本書は、著者自身が”どのような考えで仕事に取組み、チャンスをものにしながら結果を出してきたのか“がまとめられたものです。

そして、リスクをとっていない企業家に対してコンプレックスを感じながらも、”普通の会社員だって、やり方しだいで結果は出せる”という強いメッセージがあります。

まず、仕事で大事なことは徹底的な「準備」と強調しています。
「結果を出す人」と「結果を出せない人」の差は、能力の優劣ではなく、どれだけ準備したかによると。
その中で大事なのは、まず、時間の使い方に細心の注意を払うこと。
目標に合わせて、時間を適切に配分することで、予算や努力といったリソースを最大限に引き立たせることにつながり、大きな結果を引き出すことができます。
大きな目標達成には戦略が必要であり、その戦略を日々の行動レベルに落とし込んで実行する必要があります。
著者の新人時代、19時に退社し24時の就寝までの5時間を何に使うのかを入念に考え、仕事に関するトレーニング時間とし、自己研鑽に投じていました。
その毎日の行動がチャンスへの準備になると考えていたからです。

また、仕事をしていくこととは、不安定のなかで生きていく強さを持たなくてはなりません。
仕事での失敗や、人間関係の滞り、やりたい仕事がやらせてもらえないなど、自分の思い通りにならない中で生きていくことです。
大事なのは、どうやって少しでも不安を軽減し、前に進んでいくかを考えることであり、その手助けの一つは、徹底的な情報収集するという準備をすることです。
無知は恐怖心を生み、行動を抑制してしまうからです。

人間関係において重要なことは、大きく仕事をしていくには他人の助けが必要であり、出会った人は「いつか一緒にチームを組むかもしれない人」であることを考慮すること。
上司や部下という立場はいつか逆転することも考えられ、相手によって態度や言動を変えることなく、日々の行動で相手への敬意を伝えることを心がけています。
その背景には、業績を上げても誰からの支持をされないという経験があり、周囲の気持ちを察し、周囲の支持が無ければ、結果を出しても、自分が望むような変革を起こしていくことはできないことを体験したことがあります。

本書には、著者の経験と実践に基づく、仕事論が多く記載されています。
もし、職場で学ぶことが少なくなっているのであれば、著書を読み、仕事の中にある自分が気付いていない意味、潜んでいるチャンスを見つけてほしいと思います。

社長じゃなく、会社員の立場で。

 

 

部下のやる気より上司のやり方『「教え方」の教科書』

もうすぐ4月ですね。そうすると新入社員がやってきますね。皆さんも多くの「新人エピソード」を持っていると思います。

また、この時期には新人教育も一旦落ち着き、残っている人、辞めてしまった人など、来年の新人教育のために、多くのことを振り返るのにも良いのかもしれません。そこで、今回、紹介する本は『「教え方」の教科書』という本になります。

新人教育の目標が「自分で考え、行動できる人間」であることは言うまでもありません。ですが、どういう方法でそういった人間が形成されるのでしょうか?「やる気のある人間」だけであり、「やる気のない人間」はもうすでにダメなんでしょうか……?やはり、本人のやる気の有無ではなく、「どんな新人でも自立できるような教育プログラム」が必要ではないかと思います。

本書は、新人を「やる気がない」のではなく「わからない」だけという風に捉えることから出発しています。その前提の新人に「自分で考えろ」、「自分で気づけ」と願っても、知識や経験が乏しい新人にはちょっと難しいと考えます。「まずは部下に意見を求めてから……」、「一方的に教えずに自分で考えて……」というコーチングではなく、まずはとことん「教えること」から始める。何もわからない部下だからこそ、手取り足取り教える。仕事の基本をイチから教える。

誤解がないように伝えますが、いつまでも一方的に教えるということではなく、ある一定の立場になったら手綱を放して、よき相談相手として意見を求め、リスペクトすべきであり、その前段階で「教える」ということが必要ということです。仕事の基本が分からない部下に対して「君ならどうする?」と聞いても「わかりません」で返ってきます。こんな押し問答していても、ディスカッションが恐怖になるだけです。

部下は教えられることで学び、失敗して悩んだりする中で、仕事の基本を身に着け、それを繰り返すことで自分の考えを持てるようになります。教えられる中で習得した様々な選択肢をもとに、はじめて「わたしなら……」と意見を言うことができます。相互のためにも、まず「教えること」を重要視している著者の「教える」テクニックがしっかり詰まった良書です。新人教育に困った読者がいるようであれば、一読し、著者の教育方法を参考にすることをお勧めします。選択肢が広がり、問題解決につながると思われます。

 

コーチング以前の上司の常識 「教え方」の教科書

コーチング以前の上司の常識 「教え方」の教科書