HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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おもてなしの極意『エンタメの夜明け~ディズニーランドが日本に来た日~』

本書は日米3人のプロデューサーの物語である。

その3人とは、プロ野球パシフィックリーグ創設し、日本初の民間ラジオ放送を興し、大阪万博では、パビリオンのプロデュースをてがけた小谷正一。

テレビ番組「シャボン玉ホリデー」、「11PM」を立ち上げ、ディズニーランドを浦安に呼んだ堀貞一郎。

世界初のトーキーアニメ「蒸気船ウィリー」、テーマパーク「ディズニーランド」を建設し、世界のアニメーション、テーマパークビジネスの父となったウォルターイライアスディズニーである。

3人はそれぞれ、何ひとつ先例がないことをひとつひとつ決断する必要があった。

時には、ハッタリも必要だった。

失敗することも、もちろんあったが、矢継ぎ早に手を打ち、名誉挽回し、結果、日本のエンタメに大きな影響を与え、現在がある。

また、3人はいづれも、人の心をつかむ天才でもあった。

自分の趣味を人に押し付けるより先に、まず徹底的に相手の立場になってものを考え、心と心のコミュニケーションを大切にしていた。

この本は、多くのおもてなしの
極意が学べ、繰り返し読みたい貴重な一冊である。

 

 

文章うまくなりたければ、大阪のオバチャンに習え‼︎『マジ文章書けないんだけど』

まず、本書の流れを説明しておこう。

初級編の主語と述語の使い方から入り、次に中級編の文と文章の構造の考え方、その次に上級編の人に伝わりやすさを重視した文章の書き方、最後に全てを含めた応用編へと、ステップアップしていくHow to本だ。

「一つの文には一つの要素」これを心掛けるだけでじゅうぶん、わかりやすくなる。そうすれば、必然的に文はまとまる。一つの文にいくつもの要素を含んでしまうと言いたいことが、伝わりにくい。短くて簡潔な文をつないで文章にしていけば、しっかり伝えられるものである。

また、大阪のおばちゃん方式で文章を書くという方法がある。言いたいことを、つまり、結論を先に書く。そうすることによって、相手にダイレクトに伝わりやすくなる。

文章というのは人それぞれのオリジナリティあるものであり、自分で書いたものは自分で見直してブラッシュアップすればいい。本書を読めば、基礎的なことはできてくるので、書きたいことがじゅうぶん書けているか、書き足りないところがないか、どうか確認し、そして不必要なところを削る。

最終的に、しっかりした文章力を身につけていると、日常会話でも表現力が増し、コミニュケーション力が高まるという。自分も、まだまだ文章力が低いので、日々勉強していこうと思う。

 

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

 

 

 

 

『「知的野蛮人」になるための本棚』

人間一人での能力、経験には限界がある。読書はその限界を突破する唯一の手法である。本書は読書家の著者が教養をつけるための下地として真っ先に読むべき104冊を紹介したブックガイドである。

人類はこれまでに蓄積した経験や知識を文字とし、効率よく次世代にインストールすることで進化を続けてきた。それが本である。

しかし、読書をしても意味がわからないことがある。それは内容が難解すぎて理解できない時だ。闇雲に読書して良いわけでなく、適切な順序を守ることが大切だ。

本書は重大な57テーマから、それぞれのテーマに対して入門に最適な2冊の紹介がなされている。評者が既に読んだ本も多く紹介されていたが、確かに予備知識なく読めてなお、内容が深い本か多く紹介されている。

ちなみに評者は本書を読み、まず購入したのは重大なテーマ「女のコとのコミュニケーションがうまくいく瞳読みの技法」より、『ソロモンの指輪-動物行動学入門』を購入した。これで評者も「知的野蛮人」に一歩近づいただろうか。

 

「知的野蛮人」になるための本棚 (PHP文庫)
 

 

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)

 

 

 

HIUメンバーがおすすめする政治に関する本5選

 堀江貴文イノベーション大学校(HIU)メンバーがオススメする政治に関する本についてまとめました。

 

 ・総理 (幻冬舎文庫)

総理 (幻冬舎文庫)

総理 (幻冬舎文庫)

 

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・ザ・殺し文句 (新潮新書)

ザ・殺し文句 (新潮新書)

ザ・殺し文句 (新潮新書)

 

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 ・大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)

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・情報参謀 (講談社現代新書)

情報参謀 (講談社現代新書)

情報参謀 (講談社現代新書)

 

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2035年の世界

2035年の世界

2035年の世界

 

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『今すぐ中国人と友達になり、恋人になり、中国で人生を変える本』

本書は『中国嫁日記』の著者が書いた中国人とうまく付き合うための本である。と、同時に中国では昔から存在していた信用経済について学ぶことができる本である。

本書によると中国では友達という言葉には三種類あるのだという。
①友少:幼なじみ
②同学:クラスメート
③朋友:それ以外の友達
①と②のみが利益を考えない友人であり、③は利害関係で成り立っている友人を指す。中国人と友達になりたければ利害関係、言い換えると信用される、頼りにされることが大事である。

朋友の考え方は中国の国土の広さ、歴史背景に大きな影響があるだろう。国土が広く、戦争も多かった国であるため、信用のできる人(身内)とは利益を考えず付き合い、それ以外はお互いに利害関係を作ることでお互いを信用し友となる。

例えば、中国人は基本的に割り勘をしないという。一人で支払うことで借りを作る。その借りを返すための恩返しが続くことで人間関係を作っていくようだ。

朋友が多くなると、恩返しの連鎖から、異性の紹介をされるようになる。そこから中国人との恋愛が始まるが、詳細は本書に譲ることにしよう。

現在、SNSにより中国どころではないほどの人間関係が生じている。その中では中国人が昔から行ってきたような信用による関係、面子による関係。さらには身内とは濃く、それ以外とは薄情といった関係も多くなっているかもしれない。世界で最も人口の多い中国人との付き合い方を知ることはSNSでのコミュニケーション方法を知ることにも繋がるのかもしれない。

 

 

お前らに逆転などないわ……このゴミめら! 『人生を逆転する名言集』

ざわ・・・ざわ・・・

ざわ・・・ざわ・・・

福本ワールドへようこそ。
ゴミめらの皆さんはこの現実世界をどうお過ごしでしょうか。(利〇川より)

世の中には沢山の名言集があります。
著名人、芸能人、プロ野球選手、オリンピックメダリスト、創業者などなど。
その中から私たちは自分に良さそうな名言を選び、元気づけられ働きますが、1日の終わりにはその名言を忘れます。
自分の何とも言えない気持ちを代弁してくれる、うまく形にして表現してくれる言葉に出会ったとき、私たちは感動してメモをしますが、そのメモもどこかにいってしまい、消え失せます。

名言に出会ったときの高揚感は短期間で消え失せてしまうような気がします。
その効果も長続きしないような気がします。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ氏は
「名言集および格言集は、社会人にとって最大の宝である。もし前者を適時会話に盛り込み、後者を適切に呼び起こすならば。」と説いています。

どうやら名言や格言集にも適切な使い方があるようですね。

ざわ・・・ざわ・・・
そんなの聞いてねぇよ・・
ざわ・・・ざわ・・・
早く教えてくれよな・・・
ざわ・・・ざわ・・・

そんなこともわからんのか!
このゴミめら!!(〇根川より)

今回紹介する名言集は福本伸行氏の作品の中のキャラクターの名言を集めたものです。
ご存知、福本伸行氏は「賭博黙示録カイジ」「アカギ」「銀と金」「最強伝説 黒沢」など多くの名作を生んできたギャンブルコミックの巨匠です。

ここに掲載されている名言は、偉大な功績を残した人々のものでもなんでもありません。
自堕落な生活を送っていたフリーター、ただのギャンブラー、結婚もしていないただのおっさんなど、華やかな舞台とは真逆のところにいるキャラクターの名言です。
それでも、胸に深く刺さるのです。
現実逃避もさせてくれず、未来の自分に期待もさせてくれない。成功することへの妄想もゆるさない。

この本は今の現実を強烈に意識させるのです。

「頑張れば夢は叶う!」と言った類の名言集ではなく、今の現実を突きつけられ、痛みによって目が覚め、隠したくて蓋をしていた自分の気持ちを全部言葉に表されます。
そして気付くのです。
漫画のとある1シーンで放たれた言葉も、何気なく主人公が発した言葉もすべて

読者である自分に向けられていると。

まさか… 俺たちに…
ざわ・・・ざわ・・・
ざわ・・・ざわ・・・

「手を放せ……!
 もう希望から……!

 わしは捨てた…!
 わしらは捨てたぞ もう…!

 自ら捨てた民…
ホープレスだ……!」(ホームレスより)

夢を見させる名言集よりも、現実から出発し、立ち上がろうとする方にオススメです。
紹介したい名言がもっとありますが、、、
あとは自分で確かめてください。

「あろうことか…祈ってしまった…!
何も考えず…神頼み…
救ってくれ… オレを助けてくれ…だっ…!
もう自分以外… 頼る者などいない… と
骨身に染みて…知っていたはずなのにっ……!」

希望がなくなった時、ホームレスや利根川、班長、黒沢に啓発されたいタイミングで読みましょう。

 

 

人生を逆転する名言集

人生を逆転する名言集

 
福本伸行 人生を逆転する名言集 2

福本伸行 人生を逆転する名言集 2

 
福本伸行 人生を逆転する名言集 F

福本伸行 人生を逆転する名言集 F

 
福本伸行 人生を逆転する名言集 (竹書房新書)

福本伸行 人生を逆転する名言集 (竹書房新書)

 

 

人は病気になったことによって、生きることを深く考えるようになる『人生でほんとうに大切なこと』

昨今、日本では医療技術の発達により、がんの死亡率は減っているが、がん患者数は増えている傾向が続いている。まず、一番の要因は高齢化であろう。

そこで今、注目されいている「精神腫瘍医」という、がん患者とその家族の心のケアを専門的に行っている医者の存在だ。まだまだ日本では認知度が低いが、その「精神腫瘍医」が7名のがん患者とその患者を支える家族との物語を綴られた書籍だ。

皆さんも考えてみほしい。精神腫瘍医というのは、目の前の患者から「つらいです。あと半年の命なんです。もうどうすればいいかわかりません」という思いを打ち明けられ、それに答え続ける仕事である。そう言われて、なんて答えられるか。言葉に詰まらないか。答えられる人は、宗教家くらいじゃないか。そう思う。

がんになるということは、先送りしていた自分の課題に取り組むチャンスといえる。誰もが、病気になることは望まない。だからといって、それによる起こることがすべて不幸だとは言いきれない。死は全ての生物にやってくるものであり、自分の人生を納得いくように生きるにはどうすればいいかを、考えるきっかけを得ることは大きな意味を持つ。

元来、日本人には”お天道様は見ている”という言葉があるように、この世界では自らの行いに対して公正な結果が返ってくる。自分のところで”禍”を受け止めることができれば、残った妻や子供達には”福”がいく。そんなふうに人生はできているのだ。

人は病気になったことによって、生きることを深く考えるようになる。がんは、身体だけでなく心をも蝕み、しかも自分が精神的に混乱していることにも気づかない。とても厄介なものであり、残された時間を無駄なく使いたいと思えば思うほど、何をしたらよいか分からず、すくみあがってしまう。そんな患者の心を解きほどいてくれるのが「精神腫瘍医」の役割なのではないか。と、そう理解させてくれる本書であった。

 

 

スマホ時代のマネタイズ実験『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』

キングコング西野氏が絵本『えんとつ町のプペル』を作って世間に広めるためにどのように工夫し、マネタイズしてきたかをいろいろ実験したことをまとめている。

今までの常識と思われていたことをいかに覆すか、どうやって覆したのかは興味深い。そして、全て計算した上で、根拠をもって施策を実施していることがすごい。
具体的には主に3つに分けられる。①無料化すること②お土産化すること③作者(関係者)を増やすこと。
詳細は割愛するが、これらをうまく組み合わせて好循環を生み出している。売れる作品はすごく考えられていて、偶然ではないということが伺える。
そして、一番の肝は「信用」を稼ぐことだと述べている。
「信用」があれば、クラウドファンディングでお金化でき、それと同時にファンや作者を生み出せるからだ。
正直者がバカを見る社会から勝てる社会に近づいているようだ。

 

 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 
えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル

 

 

あなたはその1,000円で何が買えるか知っている『革命のファンファーレ 現代のお金と広告』

この書評の結論は最後にまとめよう。今までは個人の経済圏は小さかった。ゲームや洋服や本を買うには、主に住んでいる場所を基準に選択していたのではないだろうか。それらの品揃えで満足する人もいれば当然そうではない人もいるが、それ以上の選択肢を得ようと思うとそれだけで情報コストが必要になる。結局多少の不満があっても限られた経済圏の中で最適解を得るしかなかったのだ。

“インターネットにより、全てのものがガラス張りになった”これは本書の主張だ。インターネットによって物理的制約が排除され、今では誰もが自分にとっての最適解を得ることがとても容易い。amazonやメルカリなどが好例だろう。物質的にも経験的にもあらゆる側面で、何に払うことがそのお金が正当な使い方をされるのか知れる時代になったのだ。“お金の正当な使い方”とは、つまりは価値あるものへの投資だ。

今までうやむやになっていた境界線が、運動会の白線のようにはっきりと引かれるのだ。価値があるものにはさらに人やお金や時間が集まり、価値がないものからは離れていく。曖昧による恩恵は今後はなくなると思っていて差し支えないだろう。

私も頑張ろう、現在はオンライン読書会を開いている。本書の中にグサリと刺さる言葉がいくつもあった。きっとまだできることはあるはずだ。本を読むだけでは何も変わらず、変えるためには動くことだ。行動で示そう、良いものはしっかりと届けていこう。物理的制約はとっくに排除されているのだから。
■ルーキーたちの読書会はこちらから

camp-fire.jp

 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 

 

芸人ってエエなぁ。『革命のファンファーレ現代のお金と広告』

「大丈夫!いけるから!」。この一言で吉本興業の社長も幻冬舎の社長も知らないところで『えんとつ町のプペル』は無料公開された。担当編集者、担当マネージャーがこの話に乗ってくれたは「信頼関係」があったからだった。

本書は『えんとつ町のプペル』、『魔法のコンパス』などで大ヒットを飛ばしている面白絵本作家の西野亮廣による「現代のお金と広告」の話だ。もっとわかりやすく言うと、本書を含めた著作物をどう言う仕組みでヒットさせたかという解説書となっている。

その中で冒頭に述べた「信頼関係」の話が出て来た。人の首が飛ぶかもしれない無料公開を「信頼関係」のみでクーデター的に周りの人たちは参加してくれたという話だが、その時に著者が書いた一言が全てだと感じた。
“当然、その時に、誰かの首が飛んでいたら、ぼくがアルバイトしてでも何でも一生養って行くことは決めていた。”
さらっと書いてある一言だが、もし何かあっても助けてくれると思うほどの信頼が著者と担当者の間では築けていたのだろう。結局仕事をするのは人となので信頼関係を築くことが上手く仕事をする上では欠かせないと言う。

本書は、現在変化が早過ぎて誰もがついてこれていない、お金の正体について一番分かりやすく書かれている本だ。本書を読めばお金は信用を数値化したものだということが腑に落ちるだろう。

最後に本書で最も印象に残った文章を書いて締めることにする。
“25歳で車を2台乗り回して、モデルやアイドルとエッチをして、都内に大きな家を買った。芸人ってイイぞ。”
芸人ってエエなぁ。

 

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

革命のファンファーレ 現代のお金と広告

 
魔法のコンパス 道なき道の歩き方

魔法のコンパス 道なき道の歩き方

 
えんとつ町のプペル

えんとつ町のプペル