HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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過去に15畳の1Kに住んでいました『間取りと妄想』

『間取りと妄想』著者 大竹 昭子(亜紀書房、2017/6/26)

小説家は物語を作るとき、一体どこから手をつけるのだろうか。当然プロットを練るところからか、もっとも見せたいシーンからいきなり書き始めるのか、それとも動かしたいキャラクターの性格を決めるところからなのか。きっと正解はないのだろうが、その中でも本書は異質だろう。

“間取り”を決めてから物語が決まるのだ。

どこかのデザイナーが「制約があるからこそ良いものを生み出すことができる」と言っているのを聞いたことがある。その言葉が正しければ、間取りほど正確な制約はないのではないだろうか。一度その建築物に入ってしまえば、登場人物の動きは全て間取りで記されている空間内に限定される。ハッピーエンドもバッドエンドも全てその中で完結するのだ。物語ごとに登場人物が置かれている状況も、実に多様だ。母から故人の住居の整理を頼まれた女性、男子生徒に対する欲望が強い元高校教師、なんでも一緒の双子の兄弟。絶対的に揺るがない間取りという制約があるからこそ、“それ以外”の一切を自由にできるのかもしれない。

本書は13の物語が収録されており、“間取り”というコンタクトポイントで読み手と物語をよりリアルに繋げている。ここで言うリアルとは、登場人物の場所だ。その建築物のどの部屋からどの部屋に移動しているのか、どこに目線が移っているのかが手に取るようにわかるのは他の作品では味わえない。各物語のタイトルに間取りのイラストが掲載されているのだが、“間取り一覧”という別紙が挟み込まれており、物語と間取りを見比べながら読み進めることができる。

普段意識をしていないだけで、私たちの日々のライフイベントも、自宅の間取りによって阻まれているもしくは生かされていることもある、そう思わせてくれる一冊だ。間取りありきの13の物語、指で登場人物の場所を追いかけながら読み進めてほしい。

なぜ人間の選択は間違うのか『かくて行動経済学は生まれり』

『かくて行動経済学は生まれり』著者マイケル・ルイス訳渡会圭子(文藝春秋2017/7/15)

 

生きるということは、小さなことから大きなことまで、選択の繰り返しだ。朝何時何分の電車に乗るか(それによって人身事故に巻き込まれ遅刻するかしないかが決まる)、ランチに定食とサンドイッチどちらを食べるか、そんな日常のことから、人によっては誰を企業で採用するか、はたまたミサイルを打つか打たないかなど、多くの人の人生を左右するようなことまで、選択は様々だ。
しかし人間の選択はしばしば間違う。本書はなぜ人の判断がデータや事実に必ずしも基づかないで、間違った道を選んでしまうのか、論理的に説明したノンフィクションだ。
「人間は合理的に判断する」という前提ではなく、人間には感情や思い込みなどのバイアスによって間違った判断をする習性があるということを説いた「行動経済学」がどのようにして生まれたのか、二人の天才的な心理学者の研究と人生の軌跡を追うことで解き明かしていく。

主人公の一人はノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマン、もう一人はダニエルとともに研究をしてきたエイモス・トベルスキーだ。本書の面白さは、行動経済学がどのようなものか、経済学に関して知識のない私のような文系人間が理解できるということだけではない。二人の共同研究を通じた人間ドラマが何より魅力的で引き込まれるように読み進んでしまう。二人ともイスラエル人だが、イスラエル人として生きた体験が新しい考えを生む下地になっていることも興味深い。単なる行動経済学の理論だけでなく、二人の研究者の人生にある割り切れない感情が、とても人間らしくロマンを感じた。
経済学なんて無機質そうなものに興味がない、普段は小説しか読まないような人もびっくりするくらい心を動かされる一冊だ。

オリジナリティの高い人生設計『35歳の教科書』

『35歳の教科書』著者:藤原和博幻冬舎2014/4/10)


21世紀に入り、世の中が成長社会から成熟社会に入り、「みんな一緒」から「みんなそれぞれ」のように多様性を求められるようになった。会社という組織にとらわれているより、個人の尊重を重要視し、自分が主人公となり生きていく方が生きやすい社会である。自分で決断して物事を進める分リスクがともなうかもしれないが、今という瞬間が活き活きと輝き出す。

多眼性という見方がある。主観性と客観性ということばがあるが、その客観性を複数の視点から見るというやり方を多眼性という。多眼性を養うことによって、ものごとの判断を的確に行うことができ、円滑な人間関係を作ることができる。

また、実社会においては簡単に答えが見つかるものよりも、正解がない問題にぶつかることの方が多いはずである。そうした時代においては大学入試、会社の入社試験や面接でも「あなた自身の考え」を問いかけ「自分の言葉を使って答えよ」という問題が増えてきている。それが現代的な流れなのだ。

自分も今、当てはまっているこの25歳から35歳での10年間は、どのフィールドでどれだけの練習を重ねれるかが未来を左右するであろう。「決して会社の社畜になれ」という意味ではなく、会社の組織を利用して、固有の技術を磨くのもありだ。みなさんも実生活において35歳までに圧倒的なハードワークを経験することで、明るい未来が開けてくるだろう。

旅から学ぶ、"ググれカス"から"ググってもカス"時代の検索術『弱いつながり 検索ワードを探す旅』

『弱いつながり 検索ワードを探す旅』著者:東 浩紀(幻冬舎文庫、2014/7/24)

 

"ググれカス"というネット語があるが、知りたいけれど適切な検索語が見つからなかったり、いくらググっても本質にたどり着けない経験はないだろうか。

ネットは階級を固定する道具である。
というのも、私たちはグーグルが取捨選択した枠組みの中でしかものを考えていない。すなわち、ネットには情報が溢れているが、実際は自分が見たいと思っているものしか見えていないのだ。いかにグーグルが予測できない言葉で検索するかが鍵となる。その特効薬としては旅をすることだ。環境を意図的に変えることで、欲望を変えるのである。

そして旅先で出会うべきは新しい情報ではなく、新しい欲望である。ネット上でも旅先の情報が得られる時代に、あえて旅をする目的は身体を一定時間非日常に拘束することで、新しい欲望が芽生えさせることである。
要するに、旅とはわかってしまった情報に対して、あらためて感情でタグ付けをすることである。

旅、哲学に興味がある方にぜひ読んでもらいたい。

とりあえず文書はシンプルに!『朝5分!読むだけで文書力がグッと上がる本』

『朝5分!読むだけで文書力がグッと上がる本』監修者:校條剛(永岡書店、2012/7/20)

 

この本はたくさんの文書の書き方を記した書籍を1冊の文庫本に要約している。

自分自身、学生時代から文書書くのが苦手であり、こうやって書評書くようになったのも驚きである。

口から発する言葉と、文書で表すのとは相手の捉え方に多少の誤差というものがあるのが一般的であり、使い方に気をつける必要がある。

まず、主語の使い方だ。会話の中では主語を省いてもなんら問題ないパターンが多々あるが、文書の場合は伝えたい内容を明確にさせるために必須条件である。例えば会話で主語が抜けていて誤解を招いてしまった場合でも、すぐに謝って対応すればいいが、文書の場合すぐに聞き返したりできない場合など、間違って解釈されて大きなトラブルになってしまうことがあるので注意が必要である。

文書の内容が変わる場合など積極的に段落を変えるということを心がければ読み手に伝わりやすい。段落分けのタイミングがわからないという場合は、頭の中でテーマや流れがつかめていないというケースがある。全体の文の流れ、1つ1つの文の性格をしっかりとつかんで書くということを心がける。

魅力あるタイトルは読み手にとって最初の取り掛かりであり、最も重要な部分であり、ここをおろそかしてしまうと読んでもらえないことが多い。だからビジネス文書やプレゼン資料、電車の中吊り広告、新聞のラテ欄など半ば強めのタイトルを使うことがよくある。一目見て本文の内容が伝わり、引きつけることが重要だ。

このように文書を書くこととは、読み手に読みやすさを考え構成し、段落分けし、書くというのが大切であり、伝える気持ちが強すぎて表現が難しくなりすぎないように、シンプルな文を心がけるようにすれば上手に文書が書けるでしょう。

国内でも文化は結構違う『ものの言いかた西東』

 

「おはよう」。日本全国民が朝はこう挨拶していると言うのは常識となっている。しかし、青森、秋田のある地方は「いい天気だ」が、他にも「どこに行くか」など、違った挨拶が「おはよう」の上位に来る地方が数多くある。本書は方言でなく、地方によるものの言い方の違いについてまとめたものである。

もう1つ似た例を出そう。朝知り合いの家への訪問時をイメージして欲しい。大阪の場合「ごめんください」などの訪問の挨拶、そして「おはようございます」、「いい天気ですね」、「今日は起きるの早いね」、「今起きたとこ?」、「ご飯食べた?」。ここまでかかってやっと本題に入る。

東北の場合。分かりやすくするために言葉は変えておいた。まず起床の確認「起きてる?」、「忙しくて寝てないわ」。ここから本題に入る。

このように方言以外にも会話のリズムに大きな違いがあるのが日本の特徴だ。とくに、関西人は決まり決まった会話が大好きである。吉本新喜劇を見れば明らかだ。関西、関東でも大きな違いは感じられる。東北だとさらに違うと言うのも納得だ。

本書はこのように具体例をあげながら特徴を7つに分類し地方毎に違いをまとめている。またそれだけにとどまらず地域差がもたらす影響。その歴史的な原因についても述べられている。

ところで、本書の著者の小林氏は東北大学大学院で博士課程修了後、国立国語研究所をへて東北大学大学院で教授を、澤村氏も同様に博士課程修了後、和歌山大学で准教授をしている方言についての専門家であり、数々の方言に関する本を出している。

日本中で色々な地域出身の人に出会い、話し方が違う、会話のリズムが違うと感じることも多いだろう。大阪出身の評者もよくそう感じる。世界だけでなく日本国内でも文化の違いが多くあることを知るためにも本書はおすすめである。

 

ものの言いかた西東 (岩波新書)

ものの言いかた西東 (岩波新書)

 

 

西野さんへのラブレター

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西野さん

こんにちわ。
私は西野さんのファンではありません。
それに炎上芸は好きではありません。

けれども、原稿がほしい差し迫る理由があります!

私は『HIU公式書評ブログ』というブログを運営しています。

HIUとは、西野さんもゲストで来て頂いた、堀江貴文イノベーション大学校のことです。

そこで書評ブログを運営しており、毎日毎日更新しているのですが、なかなかpvが伸びません。

pvを伸ばしたいです。

pvを伸ばして女の子に自慢したいです。

そしてモテたいです。


なので、原稿を読んで、書評を書きたいです。

原稿を先に読んで、書評を書けば、西野さんも得をしますし、私も得をします。


あ、けど、書評を書くルールとして「面白い本しか書評ふ書かない」ってのがあるので、その時はごめんなさい。

 

 

 

因みに、私は運動神経がよい梶原さんのファンです。

また、堀江さん、HIU運営とは直接的な関係性はないので、変に迷惑を掛けないでくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、他のメンバーが言ってました。

私は、西野さんが大好きです♡

 

 

こちらが元になった西野さんのブログ。

https://lineblog.me/nishino/archives/9294563.html

モチベーションを養おう『勉強嫌いほどハマる勉強法』

『勉強嫌いほどハマる勉強法』著者:宝槻 泰伸(PHP研究所、2015/4/20)

多くの人がイメージする勉強は、入試のためのもの、資格を取るためのもの、苦痛を伴い、やらなければならないつまらないことだと思う。しかし、本書での勉強の目的は「自分の好きなことを見つけること」である。京大三兄弟を教育した宝槻家のハマる勉強法が書かれている。

さて、簡単にまとめよう。本書における勉強嫌いを勉強にハメる技は3種類。
・偉人を学ばせる→人生に夢と希望を与える。
・人類のテーマを学ばせる→やりたいことに出会わせる。
・感動させる→感動することをくせにし、人生をアクティブにさせる。
この三種が重要だと書いている。

と、まず要約を行なったがここからは完全に評者によって本書の新しい利用の仕方を提案しようと思う。評者はこの本をブックリストとして使っていて、本書を参考に本を選んでいる。いくつかそれぞれのテーマから本をあげてみれば本書のブックリストとしての価値が分かるはずだ。

・偉人伝→『幕末・維新人物伝 吉田松陰高杉晋作』、『竜馬がゆく』、『スティーブ・ジョブズ』、『ココ・シャネルという生き方』、『ゴッホの手紙』
・人類のテーマ→『プラネテス』、『銀河英雄伝説』、『攻殻機動隊』、『沈黙の艦隊
・感動→『宇宙兄弟』、『スラムダンク

本中心で紹介したが、映画も多く、他にもプラモデルやミニ四駆やプログラミングなどの利用も紹介されている。ここで、紹介されている本、映画はどれも非常に知的好奇心を刺激するものが多く評者は完全にブックリストリストとして利用している。ここに書いてあるものがそろった場所があれば教育に非常に良いと考えられる。

実は本書の著者は塾の経営も行なっている。『探求学舎』https://goo.gl/O0Z1pa。ここでは探求といった授業が行われており、興味について調査→まとめ→発表→質疑応答のサイクルを無限に繰り返して、興味を養っている。日本の大学院のような教育形式だ。

AIという文化の誕生により人間の能力格差はかなり小さくなることが予想される。そうなると、新たな問題としてモチベーション格差が生まれることは容易に想像できる。子供のあらゆることに対するモチベーションを養ってやりたい、『多動力』を養いたいと考えている人。自らの『多動力』を鍛えたい人に非常にお勧めである。

始めるきっかけ『小さな習慣』著者 スティーヴン・ガイズ

『小さな習慣』著者 スティーヴン・ガイズ(ダイヤモンド社、2017/4/26)

本書の目的は、大きな成果につながる小さな習慣の仕組みと、そのすばらしさを発見することである。そして、小さな習慣とは、毎日これだけはやると決めて必ず実行する、本当にちょっとしたポジティブな行動であり、小さすぎて失敗すらできないものと著者は言っている。

本書の構成は7つの章からなり、次のとおりとなっている。

第1章 小さな習慣とは何か?
第2章 脳を味方にする効果的な方法
第3章 モチベーションとわずかな意志の力
第4章 小さな習慣を成功させるための心構え
第5章 小さな習慣はなぜ優れているのか
第6章 大きな変化をもたらす「小さな習慣」8つのステップ
第7章 「小さな習慣」を失敗させない8つのルール

これだけを見ると、脳を味方にする、モチベーション、心構えなど、こういったジャンルの本では外せないフレーズに、本の終わりの方でも8つのステップやルールといった、これまたありがちなフレーズが並んでいる。

ただ、ほかの似たような本と決定的に違うところは、飽きっぽくて面倒くさがり屋の私が本書に登場する「腕立て伏せ1回チャレンジ」を24日間継続しているというところだ。

「毎日1回だなんて意味ないよ!」と思う方もいるだろうが、確かに私もそれはあまり意味がないというか、筋トレとしての効果はないように思う。

かといって、その毎日たった1回を始めることができない人が多いのだが、本書は、そういった何かを始めることが苦手な人に、始めるきっかけを教えてくれる本と言えるだろう。

腕立て伏せ1回。本当に小さな習慣である。たった1回だけ、今日もやってみよう。そして、実際にやり始めると、不思議なことに1回で終わったことはない。10回、20回と増えていくのだ。

今のところまだ腕立て伏せでしか試していないが、他のことでも失敗できないくらいまで小さなものにして実行すると、毎日継続して小さなイチを足していくことができるだろう。

というわけで、何か始めたい、そして継続したいという方におすすめであり、いつでも読める場所に置いて欲しい一冊である。

楊 端和にいじめられたい『キングダム 47巻』

『キングダム 47巻』著者 原 泰久(集英社、2017/7/19)

 

時は紀元前。中華は戦国の時代であった。
その中で、下僕同然の少年であった信が武功をあげ、
後の秦の始皇帝である政と一緒に中華を治めていく物語である『キングダム』。

死王として恐れられ山の王として中華の君臨する楊端和が本巻のメインキャラクターであり、本巻も素晴らしく面白かった。

秦国は、隣国である趙を攻めていく途中であった。
その中、趙の国門である列尾を攻める。

この際の楊端和がものすごくカッコいいのだ。
自らが率いる山の民達を鼓舞するシーンはなんとも迫力があり、
そしてその後、冷静に戦況を見つめて列尾の弱点を探しているところもカッコいい。
この楊端和の姿を見るだけでも本巻は十分なのだが、
『キングダム』の最大の面白さである軍略についても、次巻に繋がる形で伏線が多数張ってある。

秦国の総大将・王翦は一体何を考え、そのような行動をとるのか!?

次巻を楽しみに、また3ヶ月過ごそう。

(因みに、46巻から読めば途中からでも話の内容はわかると思われます)