HIU公式書評Blog

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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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成功したいなら「方程式」を作り上げろ! 『徹夜しないで人の2倍仕事する技術ー三田紀房流マンガ論』 著者 三田 紀房 (コルク)

あなたはマンガ家にどんなイメージを抱いているだろうか?

・アシスタントと朝まで徹夜してマンガを描いている。
・好きなことをしてお金持ちになれる夢の職業。
・締め切りギリギリで編集者が原稿を催促してくる。
これらが、ふつうのマンガ家像だろう。

しかし著者の持論は、
一般的なマンガ家論と全くかけ離れている。
・徹夜はしない。でも締め切りは守る。
・マンガ家は誰でもなれる。
・個人の頑張りに成果を委ねない。

どれも著者の考えた理論の上に体系化されたことであり、
奇をてらって言っているわけではない。
業界の慣習に合わせるのではなく、
自分自身で考え、作り上げてきた「成功の方程式」があるのだ。

その方程式の一部を紹介しよう。
・目指すのは「日高屋」のようなマンガ家だ。
「時間をかければいいものができる」という幻想を捨てる。
商売であるからには、常に「店を開け続ける」。

・自己満足に時間をかけるのはムダでしかない。
迷い、苦しみながら作るというは一見かっこよく見えるが、読者にとっては一銭の価値もない。

・「練習」なんていらないからとにかくやってみろ。
いくら練習を重ねても、マンガを描かないこと(作品を作らないこと)には世間は何の評価もしないし、そこには一銭の価値も生まれない。世の中、「やったやつ」がエライんだ。

まだまだ面白い方程式はたくさんある。
本書は、著者がマンガを通して仕組み化してきた仕事の技術(成功の方程式)を、全10章を通して紹介している。どれもタメになる技術ばかりで、ハッとさせられるだろう。本書を読むことで、ビジネスの現場や人間関係において、あなたは強力な武器を手に入れる。

なんでもない日、特別な日。 『きょうのできごと』 著者 柴崎 友香 (河出書房新社)

なんでもない日常ですが、時間が経つと、それが意味のある日だったと思い出したりしますよね。

この作品は、京都を舞台に男女の「きょう」を淡々と描いています。

友達の引越し祝い、車内での幼なじみとの会話、酔った友達にパシられて鴨川沿いを自転車で走る男、などなど、本当にどこにでもいる男女の「きょう」が語られています。しかし、その「きょう」という日は彼らにとって、なんでもない日であり特別な日でもあるのです。

この作品を読んでいると、自分のことではないのにとても郷愁を感じます。夏の夜の虫の音とぬるい風が、ふと蘇えってくるのです。それはきっと、筆者の飾らない文章が織り成すものなのでしょう。淡々と書かれるので、本当にありのままの、そのままの日常が描かれています。ですから、余計にその情景が心に入ってきやすいのです。

彼らの「きょうのできごと」は、いつか思い出になります。そしてそれは、私たちにも当てはまることです。「きょう」を懐かしむ日が、いつか必ずきます。

そんな「なんでもない日」の暖かさと切なさを、ぜひ彼らの「きょうのできごと」を通して感じてもらいたいです。

政治にITを!『情報参謀』

本書は自民党大敗後の2009年夏から政権奪還する2013年までの4年間の戦いの記録である。著者はテレビの報道を中心に報道状況と合わせて、twitterfacebookの書き込み、そしてネット検索ワードやウェブサイトのアクセス量から人々の発想や行動を分析し、自民党を勝利に導いている。

政治とメディアを変えた事件として、ニコニコ動画への小沢一郎氏の出演と中国漁船の尖閣衝突映像流出事件が挙げられている。

特に印象的なエピソードは「悪名は無名に勝る」を体現したものだ。自民党が敗戦した頃 民主党のテレビ露出度が圧倒的であり内訳はポジティブ1.6%に対し、ネガティブ63.8%であった。それに対し取った手法はそのネガティブ報道に寄りかかることであった。

情報を分析しメディアに発信する手法は今後政経塾はじめ、必要になってくるだろう。HIUが世の中を分析して、トレンドを作っていくのは面白いのではないか。

 

情報参謀 (講談社現代新書)

情報参謀 (講談社現代新書)

 

 

悩むのをやめてみよう!『シンプルに考える』著者 森川 亮 (ダイヤモンド社)

会社にとって、いちばん大切ことは何か?社員の幸せ、利益、ブランド、どれも大切だ。しかし、いちばんとは言えない。では、何がいちばんだろうか?

著者の答えはシンプルだ。
「ヒット商品を生み出し続けること」これだけである

本書は、『LINE』の元社長が退任を機に、これまでの失敗や成功の経験、そこから考えたことを教えてくれている。

まずは悩むのをやめ、「何が本質か」を考え尽くさなければいけない。最も大切なことを探しだし、それ以外はすべて捨てる。

「過去の栄光」や「偉い人」、「戦い」も必要ない。これまでの常識はいらないのだ。その理由は、本書を読めば納得できるだろう。

シンプルに考えるとは?ビジネスで成功するには?本書は、たくさんの悩みを抱え、時間が足りないと感じてる人に読んでもらいたい。自分が本当にやりたい大切なことが、見えてくるだろう。

JKの日常に起きた小さな変化『雨天の盆栽①』 著者 つるかめ(マッグガーデン)

「おじいさんの趣味だ」、そんな既成概念を覆してくれました。この作品は盆栽がテーマです。

雨宮雨天が小日向楓の日常に入ってきたところから物語は始まります。好奇心をくすぐる盆栽にまつわる知識を中心にしながらも、物語を回すのは女子高生のライフスタイル。読み進めていくに連れ彼女たちの関係が深まり、盆栽の理解も深まるというユニークな構成になっています。

盆栽を通して触れる人の魅力、人を通して触れる盆栽の魅力、登場人物がそれらの気づきを得たときの素直な心理描写が素敵です。今まで無かったものを見つけたわけではなく、ずっと前からそこにあったものを、ふと認識するような表現で描かれています。きっと“気づく”ってそういうことなんでしょうね。

単行本第一巻では本編は計六話掲載されています。物語は劇的に変わることはなく、盆栽の知識も楓たちの関係も、一つ一つ積み重ねられていきます。女子高生と盆栽というミスマッチを通してほんの少し何かが変わることで日常は変化をしていくことを感じられる作品です。

今を変えたくて小さなきっかけを待っている人にお勧めの作品です。

『自分を責めずにはいられない人』 著者 片田珠美(PHP研究所)

本書は、精神科医である著者の体験を踏まえて「罪悪感」という視点から、自分を責めずにはいられない人を分析し、「罪悪感」と向き合うことや自分を責めることをやめるための方法について書かれている。

失敗や困難なことなど、同じような体験をしても、何を感じるかは人それぞれ異なり、何もなかったかのように早く立ち直る人や、ひどい場合は、いつまでも自分自身を傷つけてしまう人もいる。

個人的なことになるが、私のように年齢を重ねると、寝てしまえば翌朝には、ほとんどのことは忘れてしまうのだが、そんな私でも若い頃は、一晩中眠れずに悩んだこともあった。一方、同じようなことを経験しても、まったく気にしていない友人もいた。そのとき私は彼の性格を羨ましく思ったものだが、なぜ、このような違いがあるのだろうか?

本書によると、このような違いは、「罪悪感」が強いか、弱いかが関係していて、「罪悪感」が強い人ほど、クヨクヨと考えて落ち込み、自分を責めるようになるのだそうだ。これは裏を返すと、「罪悪感」の真相が分かれば、それだけで落ち込むことがなくなり、生きるのが楽になるということにつながる。

この「罪悪感」がどのような形で表れるのかというと、”頭から離れない”、”いつも疑う”、”他人に気に入られたいという強い願望”などのような思いが繰り返されるときに、「罪悪感」が強くなってきているとしている。なので、「最近、そういえばそんな感じかも」という方は注意が必要だ。

本書は、前半では自分を責めずにいられない人の分析が中心となっており、後半では「自分はダメだ」と想ったときの対処法や、罪悪感との向き合い方、そして自分を責めるのをやめるための方法について解説されている。

今、自分を責めるのをやめられなくて悩んでいる方や、辛い思いをしている方、そこまででなくても、そのような気持ちになったときの対処法を知っておきたいという方は、ぜひ、本書を手にとって欲しい。

少しの工夫で簡単に実践できる『コクヨのシンプルノート術』 著者 コクヨ株式会社 (KADOKAWA)

Campus ノートで有名なコクヨの社員は、どのようなノートの使い方をしているのか?

そんな質問がきっかけとなり誕生したのが、『コクヨのシンプルノート術』である。本書では、実際のノートの写真とともに、コクヨ社員による100通りのノート術が紹介されている。

これらのノートは、少しの工夫で簡単に実践できるものが中心だが、中には「えっ?こんな使い方があったのか!」と、少し驚くような使い方もある。また、コクヨ社員のノートは、色や記号を使い、書く位置を工夫し、情報の優先順位を表示するルールを決めている人が多いのも特徴だ。

そんな中から2つほど、なるほど!と思ったノートの使い方を紹介しよう。

1つ目は、”打ち合わせのメモは前から、発想のメモは後ろから書く”というノート術だ。

ある社員は、打ち合わせ用と発想用の2冊のノートを持ち歩くのは荷物になってしまうし、かといって、1冊にまとめると、混在したノートは読み返すときに不便なので、常々どうにかしたいと思っていたそうだ。

そこで、打ち合わせ用はノートの前から書いていき、発想用はノートの後ろから逆さまに書いていくということを思いつき、実行している。こうすることで、かなり便利になり、満足しているとのことだ。

2つ目は、”小見出しの先頭には記号を書く”というノート術。

これは、小見出しにあたる部分に、「■」「◆」「●」「☆」などを、同じ階層を意識して、レベルを揃えて書くようにする。こうすることで、関係性が見えるようになり、後から見直したときに理解しやすいノートなるそうだ。実際のノートを見ても、整理されていて気持ちが良い。

ほんとうは2つ以外にも紹介したいのだが、この辺りでやめておこう。本書には、これ以外にも、簡単に実践できるノート術が紹介されているので、興味がある方はぜひ本書を手にとってほしい。

ここ数年は、業務効率化の一つとしてペーパーレス化が叫ばれていて、職場では、紙で保存する資料は少なくなり、ネットワーク上で共有するスタイルが増えている。

そのような現状のなか、「今どき紙だなんて」と思った方もいるのではないだろうか?

ところが、同じ紙でもノートになると話は別で、著者のコクヨによると、ノートの販売冊数は減っているどころか、年々購入されるノートの数は増え続けているそうだ。

なぜか?

これを著者は、個人レベルでみると、”ノートが私達を「助けてくれる存在」だから”としている。

これは私にも思い当たるところがあり、アイデアをメモしたり、記録をまとめたり、書き出すことで答えが見つかり、モヤモヤしていた頭もスッキリということが、今までに何度もあった。確かにノートは、自分を助けてくれる存在になりそうだ。

というわけで、これから自分を助けてくれる存在としてノートを使ってみたい方、また、すでにノートは使っているが、もう少し工夫した使い方をしてみたいといった方に、本書をオススメしたい。

『女騎士、経理になる。』著 三ツ矢彰 (バーズコミックス)

人間国と魔国では100年をも超える戦争が繰り広げられている。「魔国は危険」「命が惜しければ近寄るな」人は誰しもそういうが、今日も女騎士は金欠のため魔国でのクエストを引き受けていた。しかし、ある日小物のオークに捕まってしまった。

女騎士「くっ・・・殺せ‼︎」
オーク「今日から貴様はウチの会社の経理のお姉さんだ」
女騎士「け・・・経理の・・・お姉さん?」
ここから物語はスタートする。

魔国で女騎士は簿記検定2級を無理やり取らされた。ある日、人間国に戻ってきた女騎士は複式簿記のない人間国の現状を目の当たりにする。銀行ももはや成り立っていない・・・。

この漫画は複式簿記のない人間国を簿記検定2級を持った女騎士が救うという物語だ。会計の知識はビジネスの基本。この漫画で経理について学んでみてはいかがだろう。

これが働き方の決定版? 『仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則 完全版』

古今東西、様々な働き方の本があり、様々な人が様々なことを書いているが、この本に記載されている法則に従った働き方が最も良いと思っている。
この法則はシンプルだ。
「今日発生した仕事は全て明日以降に対応する。ただし、緊急の場合はその仕事を行う。」
これだけだ。

この本には、緊急の場合とはどういった場合か、仕事を効率的に片付ける方法も記載されている。
その内容は読んでもらうとして、実践した感想をここには書く。

この法則に従うため、ノートに今日やるべき仕事を書き、次のページに明日の日付を書いた。そして、新しく発生した仕事は全部明日の日付を書いたページに書いていった。このようにしてTODOを管理した。また、2週間くらい先までにやらなければいけない事を上司と擦り合わせて、スケジュールを作った。
それで仕事をしてみた。

そうすると感覚的ではあるものの、1〜2時間は早く仕事が終わっている気がするのである。

この理由を自分なりに分析すると、雑務に追われなくなったこと&やるべきことがはっきりしたことの2点が理由だと思う。
要は、選択と集中を実行できたわけだ。

話が少し変わるが、昨今、労働時間の短縮が叫ばれている。労働時間を短縮するには、今日はもう仕事を終えてよいとする理由を作ることが必要だと思う。仕事はいくらでもあるからだ。
この本を組織で読み込み共有すれば必ず今より生産性が上がり、働き方が変わる。
是非、組織で読んで働き方を変えてほしい。

 

 

集中力は最短・最速で身につくスキル?『自分を操る超集中力』著者 メンタリスト DAIGO(かんき出版)

集中力は持って生まれた才能ではなく、
トレーニングによってさらに強化できる。
一日24時間という全ての人に平等な時間の中、
集中力を自在に操ることによって、
短時間で質の高い成果を出せるようになる。

本書は疲れたままでも集中できる仕組みや、
集中力のメカニズムを理解し、そこから編み出した適切なアプローチ方法が紹介されている。
そして集中力をコントロールする術を身につけ、
人生の密度を何倍にも高めることが目的である。

まず集中力を自在に操るには、3つのルールが存在している。
1、集中力の高い人は、鍛え方を知っている
2、集中力の高い人は、実は長時間集中していない
3、集中力の高い人は、「疲れ」を脳でコントロールしている

これらの科学的に正しい方法論に沿って鍛えていけば、
誰でも簡単に最高の集中力を発揮できる。

そして他にも、
・高い集中力を生み出す7つのエンジン
・疲れをリセットする3つの回復法
・集中力を自動でつくり出す5つの時間術

などのすぐに実践できる簡単なメソッドを紹介している。
これらを学ぶことによって、
集中力を自在に操ることができるだろう。

本書は集中力が続かず時間がないと嘆いている人、もっと人生の質を高め生産性を上げたい人にオススメの一冊である。一度読めば質の高い集中力を手に入れることができる。